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「てんやわんやの中で未来をつくる:就労支援に賭ける理由」

5月13日
読了時間: 3分

働くことは、誰かの「できたね」を受け取り直す場でもある。数字が下がり、制度が揺れても、目の前の一人が社会に触れ直す瞬間は、不思議に揺るがない。その確かさに賭けるために、私たちは新しい会社をつくった。名前はコネクト。繋ぐための器だ。


「働くをつくる」という言葉を、ただのスローガンで終わらせないために、今年の3月、株式会社コネクトを立ち上げた。夏、遅くても秋には、就労継続支援A型・B型の事業所を開設する。いまこの領域は、正直てんやわんやだ。6月からは新規事業所の単価が下がる──そう通達されてもいる。それでもやる。下がってもやる。なぜか。


お金儲けが目的なら、ここは選ばない。けれど、最低限を守ることは約束だ。従業員の暮らしに必要な給与水準は担保する。ガッポガッポ稼ぎたいわけじゃない。未来をつくりたいのだ。その未来を、いますでに走っている人と並走したい。本人と、お父さんお母さんと、相談支援員さんと、そして企業の人たちと。輪をつくって、「いいね」と言い合える場を現実にする。それがコネクトのはじまりだ。


私たちが信じているのは、分け合う力だ。これまでシェアでつくり、みんなで分け合ってきたものがある。ラフ&ダイヤモンドジャパン──日本のダイヤモンドの原石を発信し、磨かれる前の輝きも価値として認める営み。コネクトはその延長線上にある。原石を原石のまま孤立させず、社会に手渡す橋をかける会社だ。


就労支援は、制度や単価の波に翻弄されがちだ。新しくつくる人の評価が下がると言われても、そこで足を止めてしまえば、目の前の人の「今」は閉じてしまう。数字は現実だが、現実は数字だけではない。私たちは「生活が回ること」「働く場に所属できること」「自分の力で生きている感覚を取り戻すこと」を、具体的な活動として編む。だから、コネクトはつないでいく。本人、家族、相談支援、企業──それぞれの点を、働くという線で結んでいく。

「下がるなら、やめておいた方がいいよ」と言われることもある。理解できる。それでも、現場で見た小さな変化は、引き止める力になる。朝、時間通りに来られた。挨拶が返ってきた。仕事が終わった後の表情が少し柔らかくなった。これらは帳簿には載らないが、人生の収支には確かにプラスを刻む。制度が変わるたびに現場は混乱する。けれど、働く場の空気が整うと、人は自分の人生のハンドルを握り直す。それを何度も見てきた。


コネクトは、「働く」を結果ではなくプロセスとして捉える。最初の一週間は、環境に馴染むことに専念してもいい。次の一週間は、担当者と一つの工程を確認する。その次は、企業の現場に見に行く。焦らないが、停滞もしない。薄い階段を、一段ずつ上がる。その間に、家族の不安を言葉にし、相談支援員と計画を編み直し、企業の理解者を増やす。働くことを、つくる。そういう設計をする。


もちろん、リスクもある。人の人生に関わる仕事に、簡単な正解はない。だからこそ「分け合う」を手放さない。現場の知恵を共有し、失敗も学びに変える。原石を磨くのは一社ではできない。複数の手が、複数の視点が必要だ。コネクトの名前には、その約束が込められている。点ではなく、線へ。線ではなく、面へ。人を中心に、関係を広げていく。

「てんやわんや」の今だからこそ、土台をつくる。働く場を静かに整える。従業員の暮らしを守る。本人のペースを尊重する。家族の声を聞く。企業に伝える。この地道な積み重ねを、派手に語る必要はない。けれど、はっきり言いたいことが一つある。下がってもやる。未来に必要なものは、目先の単価では測れないから。


始めよう。コネクトは、分け合うための器だ。原石を原石のまま孤立させず、働く場へと手渡す橋だ。企業の人たちが見て、本人が「できたね」と受け取り、家族と支援者が「よかったね」とうなずける場だ。働くことが、誰かの生き方の輪郭を少しずつはっきりさせていく。その輪郭を、みんなで支える。そんな未来に向けて、今日もつないでいく。

 
 
 

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