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「どうして、うちの子だけ固まってしまうんだろう?」

運動会やお遊戯会。みんなが楽しそうに体を動かす中で、なぜか一人だけ、まるで時間が止まったように固まってしまう子がいます。その姿を見て、親としては焦りや不安を感じてしまうかもしれません。「どうして?」「やる気がないの?」——。しかし、その子の心の中では、実は壮大な混乱が起きています。動きたいのに動けない。その小さな体の中で起きている「ショート」の正体を知ることは、子どもの可能性を解き放つ、最初のステップになるかもしれません。


運動会やお遊戯会といった特別な日、「うちの子だけが固まってしまって…」というご相談をよくいただきます。周りの子たちが楽しそうに踊ったり走ったりしている中で、我が子だけがポツンと立ち尽くしている。その姿を見ると、親としては心配になりますよね。

このとき、子どもの心の中では一体何が起きているのでしょうか。実はその子は、誰よりも「一生懸命動こう」としているのです。ただ、まだ脳から体へ送られる指令がうまく整理できず、情報が混乱してしまっている状態なのです。動きたい気持ちと、うまく動かせない体の間で葛藤が起き、回路がショートしてしまったかのように固まってしまう。それが、あの子が立ち尽くしている本当の理由です。

では、この混乱をどうすれば解きほぐせるのでしょうか。答えは、脳の中の情報を一つひとつ丁寧に整理し、ゆっくりと練習を積み重ねていくことにあります。

まずは、無理強いせず、ただ「見てるだけでいいよ」と声をかけてあげましょう。そして、子どもが踊りや動きを眺めている中で、「じゃあ、次は1個だけやってみようか」と提案するのです。もし1から10までの振り付けがあるとしたら、全部を一度にやらせる必要はありません。大切なのは、「1」の動きだけをやってみること。そのたった一つの動きができたら、「すごいね!」と認め、OKを出してあげるのです。

一つの動きが体に馴染んだら、次は二つ目へ。「1、2」と、今度は二つの動きを繋げてみます。それができたら、また次へ。「1、2、3」と、必ず前の動きに新しい動きを重ねて、繰り返し取り組んでいく。このスモールステップを丁寧に踏むことで、脳は情報を混乱させずに一つひとつ積み上げていくことができます。そして、その積み重ねが自信となり、ある瞬間に、驚くほど体がスムーズに動き出すのです。

頭で考えれば簡単なことのように思えますが、これをその子に合わせて丁寧に伝え、受け取ってもらうのは、実はとても根気と工夫がいることです。伝え方一つで、子どもの受け取り方は大きく変わります。そこには、楽しさや遊び心といった「エンタメ」の要素が欠かせません。

もし、お子さんの「動きたいけど動けない」という葛藤にどう寄り添えばいいか分からなくなったときは、ぜひ思い出してください。あの子は怠けているのではなく、ただ脳が混乱しているだけなのだと。その絡まった糸を一本ずつほどくように、小さな「できた」を一緒に見つけてあげること。その積み重ねこそが、やがて大きな自信と、体を動かす喜びへと繋がっていくはずです。

 
 
 

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