top of page
検索

福祉と農家と映え。ハイブリッド事業が紡ぐ新しい物語

地元の特産品を武器にすると決めたとき、それは単なるビジネス戦略ではなく、土地との約束でもある。鹿沼のいちご。契約農家と手を組み、削りいちごという今のブームに乗せながら、女性たちの「映え」を演出する。一方で、平日は法人向けの筋肉飯を黙々と届ける。このハイブリッドな事業は、一見バラバラに見えて、実は一本の軸を持っている——「その辺に売っているものではない」という、静かな確信だ。


これからやるのは、キッチンカーと法人向けの宅配弁当。この二つを組み合わせたハイブリッド事業だ。料理が得意な人間を一人採用し、その人がメインで動く。食材の選別や準備などは、福祉型の施設と連携して、作業として担ってもらう予定だ。

事業の柱は二つある。

一つ目は、いちごを使った削りいちごとかき氷。スイーツに特化したキッチンカーだ。もう一つは、法人向けの宅配弁当。現場のリアルな声を聞いた上で、筋肉飯やご飯と味噌汁といったシンプルなメニューを届ける。派手さはない。けれど、必要とされている。

セールスポイントは、鹿沼の特産品であるいちごを、削りいちごという今のブームに乗せて発信すること。かき氷も人気と需要がある。ここは固く進めていく。

顧客ターゲットは明確だ。

法人弁当に関しては、すでに五社から内諾をいただいている。これだけで、平日1日約1万5千円の安定した収益が見込める。この五社を軸にしながら、キッチンカーでさまざまな場所に出向き、企業案件を増やしていく。

一方、キッチンカーの顧客ターゲットは女性だ。幼稚園生から40代ぐらいまで。完全にここに絞る。映えを演出し、インスタグラムやSNSで発信してもらう。削りいちご、いちごたっぷりのかき氷。それをバズらせる。

ここで大事なのは、圧倒的に地産地消に根付いているということだ。契約農家からもらったいちごを使う。その辺に売っているいちごではない。契約農家としっかりと計画を立てて作ったいちごを、発信していく。


価格設定もシンプルだ。

法人向け弁当は1つ500円。契約人数は現状で30名を予定している。削りいちごも500円。かき氷も、メニューによって多少の差はあるが、基本的には500円。

削りいちごも、筋肉飯も、どちらも500円だ。けれど、その向こう側にあるものは違う。一方は映えであり、SNSの拡散であり、女性たちの笑顔だ。もう一方は、現場で働く人たちの日常であり、静かな満足であり、シンプルな必要性だ。

このハイブリッドな事業が成立するのは、どちらも「その辺に売っているものではない」という確信を持っているからだ。契約農家のいちご。福祉と連携した準備体制。リアルな声を聞いて作るメニュー。そのすべてが、この土地との約束であり、顧客との誠実な関係だ。

鹿沼のいちごを武器にする。それは、ただブームに乗るという話ではない。地産地消という静かな革命を、500円という価格に込めて届けるということだ。映えの向こうに本質があり、シンプルな弁当の中に戦略がある。

このハイブリッドは、矛盾ではなく、一本の軸だ。

 
 
 

最新記事

すべて表示
エンタメ就労支援で見えた、心と体のヘルプサイン

人生には、アクセルを踏み込みたい気持ちと、まだ体が追いついていない現実との間に、静かな葛藤が生まれる瞬間があります。心は未来へ向かって走り出しているのに、足はまだ昨日の場所に根を下ろしているような感覚。それはまるで、長い間止まっていた車を再び動かそうとするとき、エンジンはかかってもタイヤがすぐには回らない、あの感じに似ています。私たちの支援の現場で最近、まさにそんな瞬間がありました。それは、一人の

 
 
 
地域イベントがひらく福祉とエンタメ療育の架け橋

人は、知らないものを怖がる。けれど、光の当たる場所で踊る誰かを見ると、怖さは少しずつ形を失っていく。鹿沼の春、ステージの上で子どもたちの目がまっすぐに光ったとき、理解は理屈ではなく体験から始まるのだと、私ははっきり知った。 栃木県鹿沼市には、春のさつき祭りと秋の秋祭りという二つの大きな祭りがある。私たちはこの春、さつき祭りの「野外ステージ」と「室内ステージ」という二つの会場で、ラフダイダンスのパフ

 
 
 
楽しい療育の裏側にある、静かな設計図

子どもの成長は、まっすぐな線では進みません。できるようになったことがある一方で、新しい環境に入った途端に別の課題が見えてくることもあります。だからこそ、支援には「走り続ける力」だけでなく、ときどき立ち止まり、今どこにいるのかを一緒に確かめる時間が必要です。 モニタリングは、成長の現在地を確認する時間 福祉の事業所では、「モニタリング」という時間を大切にしています。 モニタリングと聞くと、バラエティ

 
 
 

コメント


bottom of page