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縄跳びが苦手な子に、最初に教えるべき「ひとつのこと」
誰にでも、どうしても乗り越えられない壁のように感じられるものがあります。子供の頃の逆上がり、自転車、あるいは、縄跳び。何度やっても手と足がちぐはぐになり、紐が足に当たって「もうやめた」と投げ出してしまった記憶。しかし、その「できない」という体験の裏には、実はまだ出会っていない、もっとシンプルで楽しい「体の使い方」が隠されているのかもしれません。縄跳びが苦手だったあの子が、ある日突然、楽しそうに駆け足跳びを始めた秘密は、意外なほど大きな動きの中にありました。 子供たちが縄跳びにつまずく姿を見ていると、つい「手と足の動きがバラバラだからだよ」とアドバイスしたくなります。それは間違いではありません。しかし、感覚が鋭敏だったり、独自の特性を持つ子たちにとっては、その「手と足を合わせる」という行為自体が、非常に高いハードルなのです。彼らに必要なのは、技術的な修正ではなく、その前段階にある「感覚」そのものを育むこと。そこを丁寧に育ててあげると、ある日突然、魔法が解けたようにできるようになることがあります。 では、具体的にどうすればいいのでしょうか。まず、縄跳
5 日前
ふわふわから着席へ:感覚と成功体験がつくる集中
私たちは「聴く力」を言葉で鍛えようとして、肝心の土台を忘れがちだ。集中は根性ではなく、生理的な“止まる力”から始まる。最初の3秒を一緒に育てられたら、子どもの世界は目に見えて変わっていく。 「話が聞けないです。」相談で最も多い言葉のひとつだ。けれど、聴けないことを意志の弱さや性格の問題に結びつける前に、まず身体の土台に目を向けたい。座れない、じっとしていられない、つま先だけで歩いてしまう——それは、体性感覚の前庭感覚、つまりバランス感覚がまだ整っていないサインだ。 もし毎日をバランスボールの上で暮らしているとしたら、落ち着くのは難しい。身体は常に微細な揺れに反応し、注意は外に漏れていく。子どもが「ふわふわした」状態に見えるとき、心ではなく身体の準備が追いついていないことが多い。だからこそ、最初の一歩は感覚の土台を整えることだ。 感覚遊びやバランスの練習は、そのためのやさしい入口になる。ここで大切なのは、できた結果を褒めるのではなく、行動そのものを褒めること。「座れたから偉い」ではなく、「座ろうとしたから嬉しい」。たとえば5分の活動の中で、座ろうと
6 日前
スタートラインでつまずく子へ:数字との出会いの設計
数字がわからない子に「数字を教える」のは、意外なほど難しい。むしろ「数字に近づきたい」と子ども自身が思う場面を、どうつくるかが勝負だ。公園でどんぐりを集めるように、教室に散らばる数字を見つけて並べる。それだけで、学びの空気は少し変わる。 教室のスタートラインでつまずく子がいる。数字に興味がない、数字という概念自体が掴めない、数を気にするという感覚がない。そんな子にとって「1、2、3…」は記号の羅列でしかなく、意味のない合図に見える。指で数える行為も、ただの指遊びになってしまう。 そこで、数字を「教える」より前に、数字と出会う環境をつくる。子どもが自然に向かっていくのは、好きなこと、心が動くことだ。小さな頃から多くの子が夢中になるのは、広い場所に走り出すこと、キレイと思うものを集めること、並べること。これらはすべて本能的な行動だ。 公園に行けば、どんぐりを探して集める。手のひらいっぱいにして、「見て、こんなに!」と誇らしげに見せる。キレイなものを揃えるのが好き。集める、並べる、見せる。ここに数字の入口がある。 教室でもこの本能を使う。まずは空間の設
1月28日