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「見てるだけでいいよ」から始まる発達支援

2 日前
読了時間: 4分

運動会やお遊戯会の本番で、子どもが急に固まってしまうことがあります。周りの子が踊っているのに、その場で立ち尽くしてしまう。大人から見ると「やる気がないのかな」「恥ずかしいのかな」と見えるかもしれません。でも、その小さな体の中では、実は一生懸命“動こうとする力”が働いていることがあります。


踊れない子は、踊りたくないわけじゃない


ラフダイの普段の療育トレーニングの中で、うまくいった対応事例や成功事例を少しずつ紹介していきます。


今回は、ダンスの時間に固まってしまう子への対応です。

特に運動会やお遊戯会の前後に、よくご相談いただくテーマでもあります。

「みんなと一緒に踊れない」

「本番になると止まってしまう」

「練習でも動きが入らない」

そんな姿を見ると、大人はつい心配になります。

でも、ここでまず知っておきたいのは、その子は必ずしも「踊りたくない」わけではないということです。

むしろ心の中では、一生懸命動こうとしていることがあります。

ただ、脳から体への指令がまだうまく通っていない。

情報が一気に入りすぎて、混乱してしまっている。

動きたい。

でも、体が思うように動かない。

その結果、ショートしたように固まってしまう。


固まっている子どもの内側では、怠けているのではなく、情報を処理しようとする小さな戦いが起きていることがあります。

では、どうすればいいのか。

答えは、とてもシンプルです。

脳の中で混乱している情報を、ひとつずつほどいてあげること。

そして、一個一個、ゆっくり練習していくことです。

最初から「全部踊ろう」としなくていいんです。

ステップ1は、踊らなくていい。

まずは「見ててね」で十分です。

周りの動きを見る。

音を聞く。

雰囲気を感じる。

その子の中で、情報を受け取る準備をしていきます。

そして次に、「一個だけやってみよう」と伝えます。

たとえば、振り付けが1から10まであるとします。

その全部をいきなりやろうとすると、子どもの脳の中では情報が一気に押し寄せます。

何を見ればいいのか、どこを動かせばいいのか、いつ動けばいいのかが分からなくなってしまう。


だから、まずは「1だけ」でいい。

1の動きだけできたら、それでオッケー。

それができたら、次は2つ目。

今度は「1、2」とつなげてみる。

その次は「1、2、3」。

またその次は「1、2、3、4」。

このように、必ず重ねて繰り返します。

スモールステップで取り組んでいくことで、脳の中の情報が混乱しにくくなります。

一個一個が積み上がってくると、あるタイミングで体が少しずつ動き出します。

大人の頭で考えれば、これは簡単に聞こえるかもしれません。

「分けて教えればいいんでしょ」と思うかもしれない。

でも実際に、それをその子に丁寧に伝えることは、意外と難しいものです。

伝え方が大事です。

その子の受け取り方も大事です。

そして何より、楽しく取り組める空気が大事です。

ただ分解するだけでは、子どもは動きません。

「やってみたい」と思える工夫が必要です。

そこには、やっぱりエンタメの力が必要になります。

子どもにとって、練習は訓練である前に、安心できる遊びであることが大切です。

できないことを責められる時間ではなく、「できた」が少しずつ増えていく時間であること。


子どもの成長は、大きな一歩ではなく、「これならできる」の積み重ねで動き出します。

ダンスで固まってしまう子を見た時、私たち大人が最初にできることは、「なんで動かないの?」と問い詰めることではありません。

「今、この子の中で情報が多すぎるのかもしれない」

「体に指令が届くまで、少し時間が必要なのかもしれない」

そう見方を変えることです。

見方が変わると、関わり方が変わります。

全部やらせるのではなく、まず見る。

見ることに慣れたら、ひとつだけやる。

ひとつできたら、ふたつにつなげる。

そして、それを楽しく繰り返していく。

その積み重ねの先で、子どもの体はちゃんと動き始めます。

運動会やお遊戯会のような場面では、どうしても「みんなと同じようにできるか」に目が向きやすくなります。


でも本当に大切なのは、その子の中で何が起きているのかを見てあげることです。

踊れないように見える子も、動こうとしている。

止まっているように見える子も、内側では準備している。

固まっているように見える時間も、成長の途中かもしれない。

だからこそ、焦らず、ほどいて、ひとつずつ積み上げていく。

その子のペースで「できた」が増えた時、ただ踊れるようになるだけではありません。

自分の体を信じる力も、一緒に育っていきます。

何かお困りのことがありましたら、いつでもご相談ください。


 
 
 

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