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上手い下手ではない——ダンスが本当に求めているもの

ステージの上で、出演者も観客も、子どもも大人も、みんなが一緒に踊る瞬間がある。誰かが「私には無理です」と言いかける前に、音楽が鳴り、体が勝手に動き出す。その時、師匠が言っていた言葉の意味がわかる。「心が動いて、体が動いたら、もう、それがダンスなんだよ」と。難しい技術でもなければ、練習の積み重ねでもない。ダンスは、もっと身近で、もっと本能的なものだった。


私がイベントの最後にいつも用意しているものがある。「参加型ダンスレッスン」と呼んでいるそれは、公演が終わった後、ステージに全員が上がって一緒に踊る時間だ。

出演者だけではない。ただ見に来た人も、先生たちも、誰でもいい。ステージの上に立ち、簡単なレッスンを受けて、みんなで音楽に合わせて体を動かす。30秒くらいの分量で、とにかく楽しく踊る。それだけだ。

この時間を作っている理由は、ダンスの楽しさを身近に感じてほしいからだ。多くの人は「私にはできない」と最初から壁を作ってしまう。でも、僕の師匠が教えてくれたことがある。

「いきなり音楽が鳴って、心が動いて、体が動いたら、もう、それがダンスなんだよ。難しいことではない」

その言葉を聞いたとき、深く感銘を受けた。ダンスは特別な技術や才能ではなく、もっと根源的なものだと気づかされた。

楽しく体を動かすと、気持ちも自然と上がってくる。それが健康につながり、心にもいい影響を与える。そういう体験をしてほしいと思っている。

だから、緊張しながらステージに立った子どもたちを見守っていたお父さん、お母さん、兄弟たちが、最後にみんなで一緒に踊る。そこには確かに、幸せの高まりがある。

ステージの上で、みんなが同じリズムで体を動かし、笑顔になる。その瞬間に生まれる一体感は、何にも代えがたい。

ダンスって、楽しいな——そんなシンプルな気持ちを育むために、この時間は存在している。上手い下手ではなく、ただ心と体が動くこと。それがダンスの本質だと、僕は信じている。

 
 
 

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