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エンタメ療育が保育園でひらく可能性


子どもたちの成長を支える場所には、いつも空気があります。先生たちが失敗を怖がらず、「難しいね」と笑いながら挑戦できる空気。その空気は、言葉で教える前に、子どもたちへ静かに伝わっていくのだと思います。


先生が笑う園では、子どもも笑う

ラフダイでは、普段の療育トレーニングや子どもたちとの関わりの中で、エンタメ療育というメソッドを実践しています。

ただ、僕たちの活動は事業所の中だけに閉じているわけではありません。年間に3件から5件ほど、保育園や企業、団体の方々から「エンタメ療育メソッドについて研修してほしい」とご依頼をいただくことがあります。

今回はその番外編として、栃木県宇都宮市にある保育園へ研修に行ってきました。

その園は、僕自身も昔からよく知っている園です。そして、個人的にもすごく大好きな園です。

特徴としては、モンテソーリ教育をしっかりと取り入れていること。そして、子どもたちの自主性や主体性を伸ばしていこうという方針を大切にしていることがあります。

その考え方は、エンタメ療育ラフダイの理念ともかなり近い部分があります。

だから最初は、正直に言うと「僕たちに何かできることがあるのかな」とも思いました。すでに素晴らしい実践をされている園だからこそ、こちらが何を持っていけるのかを考えました。

それでもご依頼をいただいたので、ありがたく行かせていただきました。

今回行ったのは、理念の話を一方的に伝えるような研修ではありません。そもそも大切にしている方向性は近いので、より具体的な支援方法やプログラムを実際に体験していただく形にしました。

たとえば、一見するとただ遊んでいるように見える活動があります。

でも、その遊びの中には目的があります。身体の使い方、他者との関わり方、順番を待つこと、感情を表現すること、相手を見ること、場に参加すること。

表面だけ見ると「楽しい活動」です。

けれど、その奥には「この活動は何のためにやっているのか」「どんな効果につながるのか」という支援の意図があります。

今回はその部分を確認したうえで、先生たちにも実際に体験してもらいました。

そして、やっぱり素晴らしい園だなと思いました。

まず、先生たちがとても主体的に参加してくださるんです。こちらが何かを提示したときに、ただ受け身で聞くのではなく、自分たちの保育にどう取り入れられるかを考えながら動いてくれる。

うまくいかない場面もありました。間違えることもあるし、思ったようにできないこともある。

でも、そのときに「ああ、もうやりたくない」となるのではなく、「わあ、難しい」と笑いながら取り組んでくださるんです。

「先生たち、これすごい難しいですね」と言いながら、前向きにチャレンジしてくれる。

その姿がとても印象的でした。


「難しい」を笑える大人がいる場所では、子どもも安心して挑戦できる。

これは、本当に大事なことだと思います。

先生たちが失敗を怖がらず、できないことを恥ずかしがらず、笑いながら挑戦している。その空気は、必ず子どもたちに伝わります。

子どもは、大人が言ったことだけを見ているわけではありません。

大人がどう失敗するか。どう挑戦するか。どう笑うか。どう場に参加するか。

そういうものを、ものすごくよく見ています。

だから、先生たちがニコッとしている園では、子どもたちもニコッとしている。先生たちが前向きに取り組んでいる園では、子どもたちも前向きに関わろうとする。

これは単なる雰囲気の話ではなく、支援の土台の話だと思います。

研修の中でも、先生方から自然にいろいろな言葉が出てきました。

「これ、普段の保育に取り入れられそうですね」

「こういうプログラムを入れるといいかもしれないですね」

「演劇のアプローチって面白いですね」

そうやって、ただ研修を受けるのではなく、自分たちの現場に引き寄せて考えてくださる姿がありました。

エンタメ療育は、特別な場所でしかできないものではありません。

もちろん、専門的な視点や構成は必要です。でも本質的には、子どもたちが楽しみながら、自分の身体や感情や人との関わりに出会っていくための方法です。

遊びの中に、育ちがある。

演劇の中に、表現がある。

笑いの中に、安心がある。

そして、安心の中に、挑戦が生まれる。

保育園という日常の場に、こうしたアプローチが自然に入っていくことには、大きな可能性があると感じました。

僕はいつも思っています。

いい園、いい事業所、子どもたちの成長を支えるいい環境をつくっている人たちは、競合する存在ではありません。

比べ合う必要も、奪い合う必要もない。

それぞれの場所で、それぞれの強みを持ちながら、子どもたちの育ちを一緒に支えていく仲間だと思っています。


子どもの成長を支える人たちは、競い合うのではなく、想像し、創造し合う存在でありたい。

今回の保育園での研修は、そのことを改めて感じる時間でもありました。

すでに素晴らしい理念と実践を持っている園に、僕たちのエンタメ療育の視点が少し加わることで、また新しい可能性が生まれるかもしれない。

その可能性を、先生たちが笑顔で受け取ってくれたことが何より嬉しかったです。

子どもたちの前に立つ大人が、まず楽しんでいること。

大人自身が、挑戦することを面白がっていること。

そして、うまくいかない瞬間さえも学びに変えていけること。

その姿勢こそが、子どもたちにとって一番自然な支援になるのだと思います。

今回のようなご依頼があれば、これからもぜひ行かせていただきたいです。

ラフダイの中だけで完結するのではなく、いろいろな園や事業所、団体の方々と一緒に、子どもたちの育ちを支える環境をつくっていきたい。

遊びに見えて、ちゃんと意味がある。

笑っているようで、深く育っている。

そんな時間を、これからもいろいろな場所で一緒に創っていけたらと思います。


 
 
 

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