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先生が踊る意味――スキルより大切な、子どもたちへの誠実さ

発表会の舞台で、先生たちが踊る。それは華やかなショーではなく、ひとつの誠実な応答だ。「この人たち、本当はどれくらい踊れるの?」――子どもたちや保護者の心のどこかにある、そんな問いかけに、言葉ではなく身体で答える瞬間。ダンスや演劇を教えるエンタメ療育施設ラフダイには、元プロや一生懸命に舞台に立ってきた人たちがいる。その姿を見せることが、子どもたちに夢を与え、保護者に安心を与え、スタジオ全体に説得力を生む。だから、毎回必ず、先生たちのダンスを用意している。


ラフダイでは、発表会で必ず先生たちが踊る。それも、普段より少し難しい振り付けに挑戦して、本気で舞台に立つ。これには、いくつかの理由がある。

まず、子どもたちや保護者の中には、こんな疑問を持つ人もいるだろう。「普段教えてくれている先生たちって、実際どれくらい踊れるんだろう?」「もしかして、大したことないんじゃないの?」そう思われても仕方がない。教える側が、どんな背景を持っているのか、外からは見えにくいからだ。

でも、私たちの教室には、元プロとして舞台に立っていた人や、長年ダンスや演劇に真剣に取り組んできた人たちがいる。だからこそ、その姿を実際に見せたい。言葉で「すごい人です」と紹介するより、舞台で踊る姿を見せた方が、子どもたちの心には深く残る。

それは、夢を与えることでもある。「こんなふうに踊れるようになりたい」「こんな先生みたいになりたい」――そんな憧れが、子どもたちの中に芽生える瞬間がある。保護者にとっても、安心につながる。「ああ、本当にすごい人が教えてくれているんだ」と、心の底から信頼してもらえる。

もちろん、全員が完璧に踊れるわけではない。得意な人は得意なダンスを見せればいい。そうでない人は、少し難しいことにチャレンジする姿を見せればいい。その挑戦する姿勢そのものが、見ている人を感動させる。頑張る量や、スキルの難しさは、ある程度調整しながらも、「踊る」ということ自体を、私たちはとても大切にしている。

これは、普段の指導にも説得力をもたらす。子どもたちは、先生が本気で何かに向き合う姿を見ている。その記憶が、日々のレッスンでの言葉に重みを与える。「この先生の言うことなら、信じられる」――そんな信頼が、少しずつ積み重なっていく。

先生たちが踊る理由は、いくつもある。でも、その根っこにあるのは、子どもたちと保護者に対する誠実さだ。言葉だけでなく、身体で、舞台で、その誠実さを示したい。だから、私たちは毎回、必ず踊る。

 
 
 

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